失業手当・住民税・国保・貯金の推移を1分で見える化

失業手当のもらい方を5ステップで解説
|いつから・いくら・必要書類【2026年版】

公開日:2026年7月14日 | 最終更新:2026年9月15日(当サイトの計算ツールによる試算表・給付制限の分岐表を追加/持ち物と振込日数を公式リストに合わせて修正)

「失業手当って、結局いつ・どこで・何をすればもらえるの?」——退職を考え始めた人が最初につまずくのがここです。この記事では、失業手当(正式には雇用保険の「基本手当」)を受け取るまでの流れを5つのステップに分けたうえで、当サイトのシミュレーターで実際に計算した6パターンの試算表と、自分がどれだけ待たされるかが1行でわかる分岐表を載せています。

この記事の要点
  • 流れは「離職票を持ってハローワークで申請 → 待期7日(自己都合は+給付制限1ヶ月)→ 4週ごとの認定日 → 認定から通常5営業日で振込」
  • 待たされる期間は5パターンに分かれる。教育訓練を受けていれば自己都合でも給付制限が解除される
  • 試算例:35歳・月収30万円・勤続8年なら日額6,307円。自己都合90日で約56.8万円、会社都合180日で約113.5万円
  • 持ち物に印鑑は不要(公式の持ち物リストに記載なし)。写真2枚もマイナンバーカードがあれば省略できる
この記事でわかること
  1. 自分はそもそももらえるのか
  2. 申請から振込まで、実際にやる5ステップ
  3. 自分はどれだけ待たされるのか(分岐表)
  4. いくら振り込まれるのか(当サイトの試算6パターン)
  5. 窓口に持っていくもの
  6. よくある誤解の訂正
  7. 離職理由に納得がいかないとき

自分はそもそももらえるのか

失業手当を受け取るには、大きく2つの条件があります。

加入期間は転職前の会社と通算できます。前職を辞めてから1年以内に再就職していて、その間に失業手当を受け取っていなければ、前職の加入期間も合算されます。
受給できる期間には期限があります。基本手当を受けられるのは原則として離職日の翌日から1年間です。所定給付日数が残っていても、この1年を過ぎると打ち切りになります(所定給付日数330日の方は1年+30日、360日の方は1年+60日)。申請を先延ばしにすると、日数を使い切る前に期限が来てしまうことがあります。

申請から振込まで、実際にやる5ステップ

1
会社から「離職票」を受け取る(退職後10日〜2週間)

失業手当の申請に必須の書類が「離職票(雇用保険被保険者離職票 −1・−2)」です。会社がハローワークを経由して発行するため、手元に届くのは退職から10日〜2週間後が一般的です。

その前段階として、会社がハローワークに出す「離職証明書」には離職前に本人が氏名を記載することになっています。このとき離職理由の記載内容も一緒に確認できるので、在職中にここを見ておくと後で揉めずに済みます。あわせて「雇用保険被保険者証」が手元にあるかも在職中に確認しておきましょう。

2週間を過ぎても離職票が届かない場合や、会社が離職票を出してくれない場合、事業主が行方不明の場合は、住居地を管轄するハローワークに問い合わせてください。

2
住所地のハローワークで求職申込み+受給資格の決定

離職票と必要書類(後述)を持って、自分の住所を管轄するハローワークへ行きます。求職申込みをして離職票を提出すると、受給資格が決定されます。このとき離職理由(自己都合か会社都合か)も判定されます。

行く時間に注意。雇用保険の手続きの受付は月〜金曜(休祝日・年末年始を除く)の8時30分〜17時15分です。受給資格決定のほかに求職申込みの手続きもあり、これに一定の時間がかかることから、ハローワーク自身が16時前までの来所を勧めています。夕方に駆け込むと、その日のうちに終わらない可能性があります。

手続きが終わると、受給説明会の日時が案内され、「雇用保険受給資格者のしおり」が渡されます。

3
7日間の「待期期間」を過ごす

求職の申込み後、失業の状態にある7日間は、誰でも支給対象外です。これを「待期」といいます。この間に働くと待期が延びるので注意してください。

4
雇用保険受給者初回説明会に参加する

指定された日時に開催されるので、必ず出席します。「雇用保険受給資格者のしおり」と筆記用具を持参してください。ここで「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡され、1回目の失業認定日が案内されます。

5
4週間ごとの「失業認定日」に通う → 通常5営業日で振込

原則4週間に1回、指定された日にハローワークへ行き、失業認定申告書に求職活動の状況を記入して受給資格者証とともに提出します。

認定を受けるには、認定対象期間中に原則2回以上の求職活動実績が必要です。ただし最初の認定日の認定対象期間中は1回で足ります。給付制限がある場合は、給付制限期間とその直後の認定対象期間をあわせて原則2回以上(給付制限が3ヶ月の場合は原則3回以上)です。

振込は、失業の認定を行った日から通常5営業日で指定口座に入ります(休祝日や年末年始12月29日〜1月3日を含む場合は遅れます)。

自分はどれだけ待たされるのか

初回振込までの期間は、退職理由・過去の受給歴・教育訓練の受講歴によって下の6通りに分かれます。自分が当てはまる行を探してください。

あなたの状況支給が始まるまで初回振込の目安
(退職日から)
倒産・解雇・退職勧奨に応じた退職など(特定受給資格者)待期7日のみ約1ヶ月〜1ヶ月半
契約期間満了で更新を希望したが更新されなかった/病気・出産・介護・配偶者の転勤など正当な理由のある自己都合(特定理由離職者)待期7日のみ約1ヶ月〜1ヶ月半
自分の意思で辞めた(退職日から5年間さかのぼって、正当な理由のない自己都合退職で受給資格決定を受けたのが1回以下)待期7日+給付制限1ヶ月約2ヶ月半
自分の意思で辞めた+退職日から5年間さかのぼって、正当な理由なく自己都合退職して2回以上受給資格決定を受けている待期7日+給付制限3ヶ月約4ヶ月半
自分の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)待期7日+給付制限3ヶ月約4ヶ月半
上の3行目・4行目に当てはまるが、対象の教育訓練を受けた(受けている)(重責解雇の方は対象外)給付制限が解除され
待期7日のみ
約1ヶ月〜1ヶ月半

給付制限は、以前は自己都合で原則2ヶ月でしたが、退職日が2025年(令和7年)4月1日以降であれば原則1ヶ月に短縮されています。

「5年以内に3回辞めたら3ヶ月」ではありません。数えるのは退職した回数ではなく、正当な理由なく自己都合退職して「受給資格決定を受けた」回数です。過去に自己都合で辞めていても、失業手当の手続きをしていなければカウントされません。
教育訓練で給付制限が消える条件(申し出の期限に注意)
対象は、2025年(令和7年)4月1日以降に受講を開始した①教育訓練給付金の対象となる教育訓練、②公共職業訓練等、③短期訓練受講費の対象となる教育訓練、④これらに準ずるものとして職業安定局長が定める訓練——を、離職日前1年以内に受けた(途中退校は該当しません)か、離職日以後に受けている場合です。
ハローワークへの申し出は、受給資格決定日または受給資格決定後の初回認定日までに行う必要があります。申し出のときは、受給資格決定以降に受講を開始する場合・受給資格決定時に受講中の場合は「訓練開始日が記載された領収書または訓練実施施設による訓練開始日の証明書」、受給資格決定日前に修了している場合は「修了証明書または訓練実施施設による訓練修了日の証明書」を持参します。期限を過ぎると、その分の基本手当はさかのぼって受け取れません。

対象講座の探し方や受講費の補助については、教育訓練給付金の使い方で詳しく書いています。

いくら振り込まれるのか——当サイトの計算ツールで6パターン試算しました

1日あたりの支給額(基本手当日額)は、次の式で決まります。

言葉だけでは実感しにくいので、トップページのシミュレーターと同じ計算式(令和8年8月1日改定の基本手当日額)に、代表的な6条件を入れて計算しました。月収は「退職前6ヶ月の平均月給」です。

条件
(年齢/平均月収/勤続)
賃金日額基本手当
日額
自己都合
(日数・総額)
会社都合
(日数・総額)
28歳/22万円/3年約7,333円5,357円90日・約48.2万円90日・約48.2万円
30歳/25万円/5年約8,333円5,776円90日・約52.0万円180日・約104.0万円
35歳/30万円/8年10,000円6,307円90日・約56.8万円180日・約113.5万円
42歳/40万円/15年約13,333円6,744円120日・約80.9万円240日・約161.9万円
50歳/45万円/22年15,000円7,500円150日・約112.5万円330日・約247.5万円
62歳/35万円/25年約11,667円5,431円150日・約81.5万円240日・約130.3万円

計算根拠:賃金日額=平均月収×6÷180。基本手当日額は厚生労働省の令和8年8月1日改定の計算式(賃金日額が5,480円以上13,490円以下の区間は給付率80%→50%で逓減、13,490円超は50%、59歳以下の上限は29歳以下7,450円/30〜44歳8,270円/45〜59歳9,110円、60〜64歳は上限7,830円で計算式が別)で算出し、1円未満切り捨て。所定給付日数はハローワークの所定給付日数表によります。

この表から読み取れることが3つあります。

次に、年齢と勤続を「35歳・勤続8年・自己都合(90日)」に固定して、月収だけを動かしてみます。

平均月収賃金日額基本手当日額給付率90日の総額1回の認定
(28日分)
20万円約6,667円5,037円75.6%約45.3万円約141,036円
25万円約8,333円5,776円69.3%約52.0万円約161,728円
30万円10,000円6,307円63.1%約56.8万円約176,596円
35万円約11,667円6,630円56.8%約59.7万円約185,640円
40万円約13,333円6,744円50.6%約60.7万円約188,832円
50万円上限16,540円
(実額16,667円)
8,270円49.6%約74.4万円約231,560円

月収20万円の人は給与の約76%が日額になるのに、月収40万円の人は約51%です。給付率が低い人ほど手当で暮らすのは苦しくなります。とくに月収35万円と40万円で、日額の差はたった114円(90日分で1万260円)。給与が5万円違っても、失業手当はほとんど変わりません。30〜44歳の日額は8,270円が天井なので、月収50万円でも60万円でも振り込まれる額は同じになります。

この試算はいずれも単身・標準的な条件を置いた概算です。実際の賃金日額は残業代や手当の入り方で変わり、日額には1円未満の端数処理も入ります。自分の条件で計算したい場合は、下のシミュレーターに年齢・月収・勤続年数・退職理由を入れてください。住民税・国民健康保険・国民年金を差し引いたあとの貯金の推移まで出ます。
自分の場合はいくら・いつから・何日分もらえる?
退職シミュレーターで無料計算する
厚労省の公式計算式を使用。住民税・国保・貯金の推移もまとめてわかります。

年齢・勤続年数・退職理由の組み合わせごとの日数だけを一覧で見たい方は、失業手当の給付日数早見表もあわせてどうぞ。

窓口に持っていくもの

ハローワークインターネットサービスが挙げている、受給資格決定のときの持ち物です。

印鑑は公式の持ち物リストに入っていません。雇用保険関係の申請・届出様式への押印は、令和2年12月25日付けの省令改正等により一部を除いて原則廃止されました(令和5年10月にはさらに範囲が広がっています)。「印鑑を忘れたから出直し」を心配する必要は、基本的にありません。

よくある誤解の訂正

「求人サイトを眺めていれば求職活動実績になる」→ なりません

ハローワークは、単にハローワーク・新聞・インターネットなどで求人情報を閲覧しただけ、単に知人へ紹介を依頼しただけは求職活動の範囲に含まれないとしています。実績として認められるのは、求人への応募、ハローワークの職業相談・職業紹介・各種講習やセミナーの受講、許可・届出のある民間職業紹介機関や派遣会社の職業相談・セミナー受講、公的機関等の職業相談や個別相談ができる企業説明会への参加、再就職に資する国家試験・検定の受験などです。ハローワークが利用先に問い合わせて事実確認を行うこともあります。何をすれば1回になるかは求職活動実績の作り方にまとめました。

「認定日に行けなくても、次回まとめてもらえる」→ もらえません

失業認定日に行かないと、その期間の手当は支給されません。認定日は指定制です。ただし面接や病気などやむを得ない理由がある場合は、事前にハローワークへ連絡すれば変更できます。「行けなくなってから相談する」のではなく、分かった時点で電話してください。

「申請が遅れても、もらえる日数は減らない」→ 減ることがあります

基本手当を受けられる期間は原則として離職日の翌日から1年間です。たとえば所定給付日数150日の人が離職から8ヶ月後に申請すると、待期・給付制限を経て受給を始めても、1年の期限までに150日分を消化しきれません。日数が残っていても期限で打ち切りになります。

「アルバイトは申告しなければ分からない」→ 不正受給です

受給中も週20時間未満のアルバイトは可能ですが、働いた日は失業認定申告書での申告が必要で、収入額によって手当が減額・先送りされます。ハローワークは、求職活動の実績がないのに虚偽の申告をすること、就職・就労(パート、アルバイト、日雇、試用期間を含む)や自営の開始を申告しないこと、内職や手伝いの事実や収入を隠したり偽って申告することを不正受給として挙げています。発覚するとそれ以後の支給がすべて停止され、受給額の返還に加えて納付命令が出ると最大で3倍の負担になります。

「会社都合なら必ず日数が2倍になる」→ ならない人もいます

上の試算表のとおり、28歳・勤続3年は自己都合でも会社都合でも90日です。日数が大きく伸びるのは、勤続が長い人・年齢が高い人です。一方で会社都合(特定受給資格者・特定理由離職者)には、給付制限がないことのほかに国民健康保険料の軽減という別のメリットがあります。こちらは任意継続と国保の比較で触れています。

離職理由に納得がいかないとき

会社が「自己都合」として処理していても、長時間残業、賃金未払い、ハラスメント、退職勧奨などの実態があれば「特定受給資格者」と認定される場合があります。ハローワークインターネットサービスも、実際は事業主からの退職勧奨であるにもかかわらず自己都合退職とされている場合などは相談するよう案内しており、ハローワークが事実関係を調査したうえで離職理由を判定します。

ここまで見てきたとおり、離職理由が変われば給付制限の1ヶ月がなくなり、人によっては給付日数も倍近くになります。国民健康保険料の軽減も受けられます。心当たりがあれば、証拠(タイムカードのコピー、給与明細、やり取りの記録など)を持って窓口で相談してください。

参考・出典

この記事は2026年9月時点の公表情報に基づく一般的な解説です。記事中の試算は、当サイトのシミュレーターと同じ計算式による単身・標準条件の概算であり、実際の支給額・支給日を保証するものではありません。賃金日額の算定、離職理由の判定、求職活動実績の取り扱い、初回振込の時期は、個別の事情と管轄のハローワークの運用によって異なります。必ず「雇用保険受給資格者のしおり」と住所地を管轄するハローワーク(給付課)にご確認ください。