ハローワークの求職活動実績の作り方|認定日までに必要な回数と方法【2026年版】
失業手当(基本手当)は、ハローワークに行くだけで自動的に振り込まれるお金ではありません。認定日までに決められた回数の求職活動を行い、失業認定申告書で申告することが支給の条件です。回数が足りなければ、その期間分は振り込まれません。金額にすると1回の認定対象期間で14万〜21万円——当サイトのシミュレーターで実際に試算した数字です。この記事では、自分に必要な回数の確定方法、実績になる活動とならない活動の境界線、そして「これも実績のはず」が窓口で通らない典型パターンを、ハローワークと各労働局が公表している最新の資料にもとづいて整理します。
- 必要な回数は一律ではない。通常の認定日は2回以上、初回認定日は1回以上。給付制限を受ける方は、給付制限が1か月・2か月なら2回以上、3か月なら3回以上
- 令和7年4月1日以降に離職した自己都合退職の給付制限は原則1か月に短縮された。「自己都合=3か月=3回」という古い前提のままだと回数を数え間違える
- ハローワークに行っても、求人検索機を使っただけ・雇用保険の手続きの相談だけでは実績にならない。必要なのは「職業相談」であること
- 実績不足による不支給は所定給付日数を減らすものではないが、当サイトの試算では1回あたり約14万〜21万円が後ろにずれる。受給期間には上限があるため、給付日数が長い人ほど取りこぼしのリスクが大きい
- 自分は何回必要か——3つの質問で確定する
- 1回足りないと、いくら消えるのか(独自試算)
- 何が実績になって、何がならないのか
- 「これも実績のはず」が通らない5つのパターン
- 4週間をどう使えば余裕が生まれるか
- 足りないまま認定日を迎えたら
自分は何回必要か——3つの質問で確定する
「原則2回」とだけ覚えていると、給付制限がある方は数え間違えます。必要回数は離職理由・離職日・今回が何回目の認定日かの3つで決まります。順番に確認してください。
倒産・解雇などの会社都合(特定受給資格者)や、特定理由離職者に当たる場合は給付制限なし。正当な理由がない自己都合退職の場合は給付制限ありで、質問2へ進みます。
群馬労働局の案内によれば、離職日が令和7年4月1日以降なら給付制限は原則1か月。令和7年3月31日以前なら原則2か月です。ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合退職して受給資格決定を受けた場合、および自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)の場合は3か月となります。
初回認定日か、給付制限明けの最初の認定日か、それ以降の通常の認定日かで、必要回数だけでなくどこからどこまでを数えるかも変わります。下の表で確定させてください。
| あなたの状況 | 数える期間 | 必要な回数 |
|---|---|---|
| 初回認定日 | 資格決定日(雇用保険を申請した日)〜初回認定日の前日 | 1回以上 |
| 給付制限(1か月)後の最初の認定日 | 給付制限の初日〜次回認定日の前日 | 2回以上 |
| 給付制限(2か月)後の最初の認定日 | 給付制限の初日〜次回認定日の前日 | 2回以上 |
| 給付制限(3か月)後の最初の認定日 | 給付制限の初日〜次回認定日の前日 | 3回以上 |
| その他の認定日(通常) | 前回認定日〜次回認定日の前日 | 2回以上 |
この区分は神奈川労働局が受給者向けに配布している案内(令和7年8月版)に明記されているものです。注目すべきは給付制限がある方の「数える期間」で、認定日と認定日の間ではなく給付制限の初日から数えます。1か月の給付制限なら、その1か月間も活動をカウントできる期間に含まれるということです。
回数が1回でよくなる特例
上の表とは別に、ハローワーク旭川は「認定対象期間中における求職活動実績が1回あればよい」ケースを公表しています。
- 就職が困難な方(厚生労働省令で定める障がい者等)
- 認定対象期間が14日未満の場合
- その認定対象期間中に求人へ応募した場合
- 市町村の取次ぎによる認定を受ける場合
初回説明会は1回に数えられる
受給手続きの後に参加する雇用保険受給者初回説明会(初回講習)は、ハローワークが行う講習にあたるため求職活動実績として扱われます。そのため初回認定日に必要な1回は、説明会への参加だけで満たせるケースが多いです。ただし説明会が数える期間内に行われているかどうかで扱いが変わるため、窓口で確認しておくと確実です。
1回足りないと、いくら消えるのか
「実績が足りないと不支給」と言われても、金額を想像できないと危機感は湧きません。そこで、当サイトのシミュレーターが使っている計算式(令和8年8月1日改定の基本手当日額)で、1認定対象期間=28日分の不支給がいくらに相当するかを実際に計算しました。
| 条件 | 基本手当日額 | 所定給付日数 | 28日分の不支給額 | 全期間の総額 |
|---|---|---|---|---|
| 25歳・月収20万円・勤続3年・自己都合 | 5,037円 | 90日 | 141,036円 | 453,330円 |
| 30歳・月収25万円・勤続7年・自己都合 | 5,776円 | 90日 | 161,728円 | 519,840円 |
| 35歳・月収30万円・勤続8年・自己都合 | 6,307円 | 90日 | 176,596円 | 567,630円 |
| 42歳・月収35万円・勤続12年・会社都合 | 6,630円 | 240日 | 185,640円 | 1,591,200円 |
| 50歳・月収45万円・勤続22年・会社都合 | 7,500円 | 330日 | 210,000円 | 2,475,000円 |
| 62歳・月収30万円・勤続15年・会社都合 | 5,348円 | 210日 | 149,744円 | 1,123,080円 |
計算の根拠は次のとおりです。まず賃金日額=退職前6か月の賃金合計÷180で求めます(月収30万円なら 30万円×6÷180=10,000円)。そこに年齢区分ごとの給付率を当てはめ、賃金日額が5,480円以上13,490円以下の帯では逓減式(賃金が高いほど給付率が下がる仕組み)を使い、13,490円を超えると50%になります。最後に年齢区分ごとの上限額(29歳以下7,450円/30〜44歳8,270円/45〜59歳9,110円/60〜64歳7,830円)と下限額2,562円で挟みます。50歳・月収45万円の例が7,500円ちょうどになっているのは、賃金日額15,000円が逓減式の上限13,490円を超えて50%が適用されたためです。
何が実績になって、何がならないのか
ハローワークは、認められる活動と認められない活動を明示しています。まず、認められる主なものは次のとおりです。
- 求人への応募(電話・郵送・面接・インターネット等、方法を問わない。ハローワーク経由以外の求人も含む)
- ハローワークの窓口等での職業相談・職業紹介、就職支援のためのセミナー受講(船員雇用安定センターによるものも含む)
- 国からの許可・届出のある民間紹介会社での職業相談・職業紹介、就職支援のためのセミナー受講
- 国からの許可・届出のある派遣会社での職業相談、求人へのエントリー、就職支援のためのセミナー受講
- 公的機関等(地方自治体、独立行政法人等)が行う職業相談・職業紹介、就職支援のためのセミナー受講
- 個別相談ができる企業説明会等への参加
- 再就職に関連する国家試験、検定等の受験
「これも実績のはず」が通らない5つのパターン
窓口で「それは実績になりません」と言われて慌てるのは、たいてい次の5つです。いずれも神奈川労働局・ハローワーク旭川が公表している早見表に、実績にならない例として明記されています。
| 思われがちなこと | 実際の扱い |
|---|---|
| ハローワークに行けば実績になる | 求人検索機を使っただけは対象外。また、雇用保険の手続きなど職業相談以外の相談も実績になりません。カウントされるのは窓口での「職業相談」です |
| 応募した会社の二次選考も1回に数えられる | 求人応募後の二次選考は対象外。1つの求人への応募は、一連の活動として1回と扱われます |
| セミナーに参加したから実績になる | 就職支援以外を目的としたセミナーは対象外。生活設計や子育てをテーマにした講座などは、参加しても実績になりません |
| 企業説明会に参加した | 個別相談ができない説明会は対象外。会場で企業担当者と個別に話せる形式かどうかが分かれ目です |
| 転職サイトや派遣会社に登録した | 求人情報の閲覧や登録手続きのみは対象外。そこから職業相談を受ける、求人にエントリーするところまで進んで実績になります |
5つに共通する境界線は「第三者が客観的に確認できるか」です。求人を眺めるだけ、登録するだけでは、あなたが就職しようとしたという記録がどこにも残りません。窓口で職業相談をすれば相談記録が残り、応募すれば企業側に記録が残ります。判断がつかない活動は、事前にハローワークの給付課に問い合わせるのが確実です。
4週間をどう使えば余裕が生まれるか
2回以上と言われても、いつ何をすればよいか迷いがちです。給付制限のない方(会社都合退職など)が、認定日を起点に4週間をどう使うかのモデルケースを挙げます。
| タイミング | 行動 | カウント |
|---|---|---|
| 認定日当日(第1回) | 失業認定申告書を提出し、そのまま窓口で職業相談を受ける | 次の期間の1回目 |
| 認定日の翌週 | 気になる求人に応募(応募書類の送付) | 2回目 |
| 3週目 | 面接・結果待ち | — |
| 4週目(次の認定日の前日まで) | 予備としてハローワークのセミナーを受講 | 3回目(予備) |
| 次の認定日 | 2回以上の実績を申告 → 認定 → 約5営業日で入金 | — |
ポイントは認定日当日の職業相談です。認定日当日に行った活動は、その日から始まる次の認定対象期間の実績として扱われるのが一般的な運用です。手続きでハローワークに来ているついでに相談まで済ませてしまえば、残りは1回だけになり、認定日直前に慌てずに済みます。ただし当日分の扱いは窓口で確認しておくと安心です。
足りないまま認定日を迎えたら
結論として、その認定対象期間分の基本手当は支給されません。ハローワーク札幌は「必要な求職活動実績の回数が不足する場合は、認定日に来所されても基本手当の支給を受けることができません」と明記しています。
ただし、これは「その期間分が先送りになる」という意味で、所定給付日数(受け取れる日数の上限)そのものが削られるわけではありません。受給期間が残っていれば、次の認定対象期間できちんと実績を作って受給を再開できます。とはいえ受給期間には期限があるため、不支給が続くと受け取り切れない日数が出てしまいます。
なお、公共職業訓練等の受講期間中や、応募先の採否結果の通知を待っている期間などは、そもそも求職活動実績が必要とされない場合があります。自分がその扱いに当たるかは窓口で確認しましょう。教育訓練給付金を使って訓練を受ける選択肢もあり、令和7年4月以降はリ・スキリングのために教育訓練等を受けた場合に給付制限が解除される仕組みも始まっています。
まとめ
- 必要回数は一律ではない。通常の認定日は2回以上、初回認定日は1回以上、給付制限1か月・2か月なら2回以上、3か月なら3回以上
- 給付制限がある方は、認定日と認定日の間ではなく給付制限の初日から数える。令和7年4月1日以降の離職は原則1か月に短縮されている
- ハローワークに行っただけ・求人検索機を使っただけ・雇用保険の手続きを相談しただけでは実績にならない。必要なのは「職業相談」
- 二次選考、個別相談のない企業説明会、就職支援以外のセミナー、サイトへの登録のみも実績にならない
- 1回の不支給は当サイトの試算で約14万〜21万円。認定日当日の職業相談を「次の期間の1回目」として使うと余裕が生まれる
参考・出典
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」(失業の認定は原則4週間に1度、認定対象期間中に原則2回以上・最初の認定日は1回、認定後通常5営業日で振込)
- 神奈川労働局・ハローワーク「雇用保険受給者のみなさまへ」令和7年8月版(PDF)(初回認定日1回以上、給付制限1か月・2か月は2回以上、3か月は3回以上、その他の認定日は2回以上。求職活動実績早見表)
- 群馬労働局・ハローワーク「『給付制限期間』が短縮又は解除されます」(PDF)(令和7年4月1日以降の離職は原則1か月、5年間に2回以上の自己都合離職および重責解雇は3か月)
- 北海道ハローワーク(ハローワーク旭川)「失業の認定に必要な求職活動実績」(認められる活動の一覧、認められないもの、1回でよいケース)
- 北海道ハローワーク(ハローワーク札幌)「失業の認定を受けるには」(失業認定申告書の提出、回数不足時は不支給)
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(受給期間は原則1年、所定給付日数330日は1年+30日、360日は1年+60日)
- 厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」