再就職手当とは|早く再就職が決まったらもらえるお金の仕組み【2026年版】
失業手当(基本手当)を受給している途中で再就職が決まると、「もらい損になるのでは」と不安になる人は少なくありません。しかし雇用保険には、早期に再就職した人にお金を支給する「再就職手当」という制度があります。条件を満たせば、まとまった一時金として受け取れます。この記事では、再就職手当がもらえる条件、金額の計算方法、申請の期限までを、ハローワークの公表資料にもとづいて解説します。
- 再就職手当は「基本手当日額×支給残日数×60%または70%」で計算され、所定給付日数を3分の2以上残して再就職すれば給付率70%になる
- 受給には8つの条件をすべて満たす必要があり、なかでも「支給残日数が所定給付日数の3分の1以上」「1年を超えて勤務することが確実」が特に重要
- 申請期限は就職日の翌日から1か月以内。再就職後に給与が下がった場合は「就業促進定着手当」(2025年4月から上限は支給残日数の20%)も追加でもらえる可能性がある
- 再就職手当とはどんな制度か
- もらうために満たす必要がある8つの条件
- もらえる金額の計算方法(給付率60%・70%の分岐点)
- 就職のタイミング別の受給額の違い(モデルケース)
- 申請方法と期限
- 再就職後に給与が下がったらもらえる「就業促進定着手当」
再就職手当とは——早く再就職した人に支給される一時金
再就職手当とは、雇用保険の失業手当(基本手当)を受給できる資格を持つ人が、基本手当をすべて受け取り切る前に安定した職業に就いた場合に支給される一時金です。失業手当は「早く再就職すると受給額が減る」ため、就職を先延ばしにする人が出やすいという課題がありました。再就職手当は、残っている基本手当の一部を再就職のタイミングに応じてまとめて支給することで、早期の再就職を後押しするための制度です。
再就職手当をもらうための8つの条件
再就職手当の支給を受けるには、次の8つの要件をすべて満たす必要があります。1つでも欠けると支給されません。
- 受給手続き後、7日間の待期期間が満了したあとに就職、または事業を開始したこと
- 就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
- 離職した前の事業主に再び就職したものでないこと。資本・資金・人事・取引面で密接な関わりがある事業主への就職も対象外
- 自己都合退職などで給付制限がある場合、待期期間満了後1か月以内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職したこと(1か月を過ぎれば就職の経路は問われない)
- 1年を超えて勤務することが確実であること(更新が見込まれない有期雇用や派遣就業は対象外になりうる)
- 原則として、雇用保険の被保険者になっていること
- 過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受けたことがないこと
- 受給資格決定(求職申込み)の前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
もらえる金額の計算方法——給付率60%・70%の分岐点
再就職手当の額は、次の式で計算されます。
再就職手当の額 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 60%(または70%)
給付率がどちらになるかは、就職日の前日までに残っている基本手当の支給残日数が、所定給付日数の何割にあたるかで決まります。
- 所定給付日数の3分の2以上を残して再就職:支給残日数の70%
- 所定給付日数の3分の1以上(3分の2未満)を残して再就職:支給残日数の60%
就職のタイミング別の受給額の違い(モデルケース)
同じ所定給付日数でも、再就職のタイミングが早いほど給付率が上がり、受給額も大きくなります。所定給付日数270日・基本手当日額4,000円の人を例にすると、次のような違いが出ます。
| 再就職のタイミング | 支給残日数 | 給付率 | 再就職手当の額 |
|---|---|---|---|
| 受給資格決定から50日目に就職 | 228日 | 70% | 638,400円 |
| 受給資格決定から100日目に就職 | 178日 | 60% | 427,200円 |
就職が50日遅れただけで、受給額は約21万円も少なくなっています。「もう少し待てば内定が出るかもしれない」という場合でも、給付率が3分の2の境目を過ぎる前に決断できるかどうかで、手元に残るお金は大きく変わってきます。
申請方法と期限——就職日の翌日から1か月以内
再就職手当を受け取るには、就職した日(または事業を開始した日)の翌日から1か月以内に、雇用保険受給資格者証を添えて「再就職手当支給申請書」をハローワークに提出する必要があります。申請書は本人が窓口に提出するほか、代理人による提出や郵送も認められています。申請期限を過ぎると受け取れなくなるため、内定が出た時点でハローワークに申請方法を確認しておくと安心です。
再就職後に給与が下がったら「就業促進定着手当」も対象に
再就職手当を受け取った人が、再就職先に6か月以上雇用され続け、かつ再就職後6か月間の賃金が離職前の賃金より低い場合は、その差額分を補う「就業促進定着手当」を追加で受け取れる可能性があります。
まとめ
- 再就職手当=基本手当日額×支給残日数×60%(3分の1以上残し)または70%(3分の2以上残し)
- 支給には8つの条件をすべて満たす必要がある。とくに支給残日数と1年超の勤務見込みに注意
- 申請は就職日の翌日から1か月以内。忘れずにハローワークで手続きする
- 再就職後に賃金が下がった場合は就業促進定着手当も検討(2025年4月から上限は支給残日数の20%)