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傷病手当金と失業手当の違いと切り替え方|同時にもらえる?【2026年版】

公開日:2026年7月24日 | この記事は2026年7月時点の制度に基づいています

病気やケガで会社を休み、そのまま退職を考えている人にとって、「傷病手当金と失業手当は両方もらえるのか」「どちらを先に受け取ればいいのか」は大きな不安です。結論から言うと、この2つは同時には受け取れません。役割が正反対だからです。しかし正しい順番で手続きすれば、療養中も退職後も収入の空白をつくらずに給付を受け取れます。この記事では、両制度の違いと、退職後の継続給付・受給期間延長を使った切り替え方を、協会けんぽとハローワークの公表情報にもとづいて解説します。

この記事の要点
  • 傷病手当金(働けない人向け)と失業手当(すぐ働ける人向け)は役割が正反対で、同時には受け取れない。「療養中は傷病手当金→回復後は失業手当」とバトンタッチするのが基本
  • 傷病手当金は1日あたり「標準報酬月額の平均÷30×3分の2」で、支給開始日から通算1年6か月まで。退職後も継続受給するには「退職日まで継続1年以上の加入」など2条件が必要
  • 退職後に療養が続く場合は、退職後すぐハローワークで失業手当の「受給期間延長」を申請すれば、受給期間を最長4年まで延ばして回復後に受け取れる
この記事でわかること
  1. 傷病手当金と失業手当の違い(早わかり表)
  2. なぜ同時にもらえないのか
  3. 傷病手当金の金額・期間と、退職後も受け取れる条件
  4. モデルケースでみる傷病手当金の受給額
  5. 退職後の切り替え手順(受給期間延長がカギ)
  6. よくある失敗と注意点

傷病手当金と失業手当の違い(早わかり表)

まず、2つの制度の違いを整理します。加入している保険も、支える対象も、担当窓口も異なります。

傷病手当金失業手当(基本手当)
制度健康保険雇用保険
対象病気・ケガで働けないすぐ働けるのに職がない人
窓口協会けんぽ・健康保険組合ハローワーク
金額の目安給与の約3分の2(日額)離職前賃金の約5〜8割(日額)
期間支給開始日から通算1年6か月年齢・勤続・離職理由で90〜330日
ポイントは「働けるかどうか」です。傷病手当金は働けないことが条件、失業手当は働けることが条件。だから両立せず、状態が変わったタイミングで切り替えます。

なぜ同時にもらえないのか

2つを同時に受け取れないのは、それぞれが想定している状態が真逆だからです。傷病手当金は「療養のため働けない」ことが支給の前提で、失業手当は「働く意思と能力があり、いつでも就職できる」ことが受給の前提になっています。同じ期間について「働けない」と「働ける」の両方を主張することはできないため、どちらか一方しか受け取れません。

そのため、療養中は傷病手当金を受け取り、体調が回復して働けるようになってから失業手当に切り替える——という順番が基本になります。この橋渡しをスムーズにするのが、後述する「受給期間の延長」です。

傷病手当金の金額・期間と、退職後も受け取れる条件

まず傷病手当金の基本を押さえます。支給されるのは、次の4つの条件をすべて満たしたときです。

最初の連続3日間は「待期期間」として無給でも支給されません。4日目以降の働けなかった日に対して支給されます。待期には土日・祝日・有給休暇も含めてカウントできます。

1日あたりの支給額

傷病手当金の1日あたりの金額は、次の式で計算します。

支給開始日以前12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額 ÷ 30 × 3分の2

おおむね給与(標準報酬月額ベース)の3分の2が目安です。標準報酬月額とは、社会保険料の計算に使われる、給与を区切りのよい金額に当てはめたものです。

支給期間は「通算」1年6か月

支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。令和4年(2022年)1月1日以降は、途中で復職して傷病手当金が支給されなかった期間があれば、その分は差し引いてカウントされます。つまり「働けなかった日」だけを積み上げて1年6か月に達するまで受け取れる仕組みです。

退職後も受け取り続ける条件(資格喪失後の継続給付)

退職して健康保険の被保険者でなくなっても、次の2つを満たせば傷病手当金を受け取り続けられます(資格喪失後の継続給付)。

退職日に出勤してしまうと「働ける状態」とみなされ、継続給付の条件を満たせなくなる場合があります。療養中に退職日を迎えるときは、退職日に出勤しないことが重要です。心配な場合は事前に協会けんぽ・健康保険組合に確認してください。

モデルケースでみる傷病手当金の受給額

標準報酬月額の平均額別に、1日あたり・1か月あたり(30日分)のおおよその受給額を計算すると次のようになります。

標準報酬月額の平均1日あたり(÷30×2/3)1か月あたり(30日分の目安)
24万円約5,333円約16.0万円
30万円約6,666円約20.0万円
36万円約8,000円約24.0万円

たとえば標準報酬月額の平均が30万円の人なら、1日あたり約6,666円、1か月休むと約20万円が目安です。実際には日数や月ごとの日数、支給調整によって前後します。あくまで概算として参考にしてください。

退職後の切り替え手順(受給期間延長がカギ)

療養中に退職し、回復後に失業手当を受け取りたい場合の流れは次のとおりです。ポイントは、退職後すぐに失業手当の「受給期間延長」を申請しておくことです。

失業手当の受給期間は原則「離職日の翌日から1年間」です。この1年の間に病気で受け取れないと、権利が消えてしまいます。受給期間延長を申請すれば、働けない期間を最長3年延ばせ、本来の1年とあわせて最長4年まで受給期間を確保できます。
受給期間延長の申請は、働けない状態が30日を超えたあと、できるだけ早く行いましょう。申請自体は延長後の受給期間の最後の日まで可能ですが、手続きが遅れると必要書類の準備などで受給開始が遅れることがあります。申請には離職票や延長理由を確認できる書類などが必要になるため、退職前後にハローワークで必要書類を確認しておくと安心です。
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よくある失敗と注意点

まとめ

参考・出典

この記事は2026年7月時点の制度に基づく一般的な解説です。傷病手当金の金額は標準報酬月額や支給調整により、失業手当の受給期間延長の要件や必要書類は個別事情により異なります。正確な内容は協会けんぽ・健康保険組合、および最寄りのハローワークにご確認ください。